2010年8月17日〜21日 韓国への旅
今回の花房夫妻との韓国被害者(元軍「慰安婦」、女子勤労挺身隊)を訪ねる旅は、きわめて私の内面に関わる動機によるものです。二年位前に花房夫妻から誘われた時、私は被害者の生活している場に私のような見ず知らずの人間が入り込んで良いのだろうか?彼女たちは見世物ではない。どんな顔をして私は彼女らの前に立てるのか?私は自分に自信がなく強い迷いがあった。
この「日本軍『慰安婦』問題」に関わり始めて三年近く経つが、私はいつも「なぜこの問題に関わっているのか?」と自分自身に問い続けてきた。資料を読み、映画を見、講演を聞いても、私には壁があった。
今年恵美子さんから旅を誘われて、私は今回断ればもう被害者に会う機会は二度と巡ってこないのではないか、と恐れた。それが一番の理由です。
「なぜこの問題に関わっているのか?」という壁に答えが出るのか、出ないのか?結論を出すためではなく、とにかく、被害者に会って声を聞き、どんな様子で日々を送られているのか?今現在の生活の場に立ち会ってみようと思った。
会ってみて、私は「日本軍『慰安婦』問題」という大きな問題の周りをぐるぐる歩き続けていただけだったと分かった。一歩を踏みこめば彼女たちの存在そのものがすべてを語ってくれていた。「日本政府は公式に謝罪しろ」「もう時間がありません」という言葉が私の内側に入り込んだ彼女たちの姿と共に言えるようになった。私はやっと入り口に辿り着いたのかもしれません。