関釜裁判ニュース第56号

訃   報  

悲しいお知らせです。四月十二日に成順任さんが、この夏に 姜容珠さんがお亡くなりになりました。

成順任(ソン・スニム)さん

(一九三〇年五月十五日生)
(不二越に強制動員、第二次不二越訴訟原告)成さんは昨年十二月の本人尋問に出るつもりで準備していたのに体調不良で出席できず、四月に急逝されました。
気が強く頭のよい方で、苦労して美容室を経営したり、保険や水の販売などの営業をしながら八人の子供を育てられました。 八人のうち四人は、彼女が「挺身隊」だったと知った夫が、「慰安婦」だったと誤解し、彼女が隠していたとして蔑み、他の女性に産ませ、彼女に育てさせました。彼女も子供たちもどんなにつらかったことかと思います。だからこそ、日本政府と不二越を相手とした裁判への思いは強かったので、闘い半ばでの訃報に胸が痛みます。長男が訴訟を継承し、五月の原告団会議にも出席されたそうで、成順任さんも嬉しいことでしょう。


姜容珠(カン・ヨンジュ)さん
(一九三〇年十二月十二日生)
(東京麻糸へ強制動員、関釜裁判原告)
姜さんは、一昨年より脳腫瘍で入院されていて、この一年近く意識不明の病状でした。企業に対する裁判はされませんでした。「恨(ハン)」を内に秘めて、芯の強い方でした。支援する会のメンバーが釜山へ行ったときに、朴順福さんと一緒に彼女のマンションに泊めてもらっていました。


お二人のご冥福をお祈りします。
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