関釜裁判ニュース第54号

「慰安婦」問題の解決を求める 全国同時企画・全国実行委員 福岡合宿  

H・E

五月三一日,六月一日に福岡で全国同時企画の全国実行委員の合宿を行いました。

参加者は計三一名で、九州以外から十二名でした。全体は一泊二日でしたが、七名が二泊して行かれ、濃密な時間をすごせました。

二〇〇四年、若者たちが中心となり日本軍「慰安婦」被害女性をお招きして、被害者の声を若い世代に届け、被害者の思いをともに実現したいと願い出発した全国同時証言集会は、全国同時企画と名称を変えながら四年四回実現し、今年で五年目となります。また、全国の実行委員が集う合宿も、大阪、京都、高知と続き、今回の福岡で四回目となりました。

スケジュールは以下でした。

一日目
  *各地報告(宝塚、大阪、京都、名古屋、東京、福岡)
  *学習会(慰安婦」問題の論点整理ー立法運動・ロビー活動のために)
        夜 交流会
二日目

  *韓国からの報告(村山さん、梁さん)
  *アジア連帯会議と今年の同時企画についての討論。

各地の報告では若い人たちのみずみずしい感性にふれることができました。京都・大阪の毎月の街頭行動・日常活動には敬意を覚えると同時に学ばされました。

さらに、宝塚市議会で政府に誠実な対応を求める意見書採択を実現させた市民の活動報告を聞きました。中心メンバーの熱い思いが伝わると同時に、日常的な共闘体制を作り上げてきた運動の積み重ねを知ることができました。ローマは1日にして成らずです。報告集(一冊三百円)が出ています。とても勉強になり、勇気がわきます。

ナヌムの家の歴史館研究員・村山さん、挺身隊問題対策協議会の梁さんからは、韓国の被害者・支援団体のリアルなお話をじっくり聞けました。村山さんからの被害者ハルモ二たちの現状報告には胸が詰まりました。「この一年でこんなにも年をとったのかと感じる。体が小さくなり、行動範囲が狭まり、弱気なってくる。去年まで出来たことが今年はできない。残された時間がひたひたと迫ってくる。」
 さらに、福岡在住のKさんも出席してくださっていたので、インドネシアで長く被害者の聞き取りをされた彼の助言は討論を深くしました。
学習会では、反発も覚悟であえて「既成概念」(日本軍『慰安婦」の実態)について疑問を呈したレポーターの努力に感謝です。最初にこの問題を世に提起した千田夏光さんの「慰安婦」認識に囚われているが、実態を正確に認識することが和解に繋がるとの問題意識でした。「慰安婦」被害者の範疇の整理が今後の課題として挙げられました。

今後各地でどのように取り組んでいくかについては、喧々諤々と討論が行われましたが、その内容は今後の活動にてお知らせします。楽しく充実した合宿でした。


(付記)
先日原告の皆さんに電話しました。朴SOさんは認知症の病状は落ちついているようで、仕事に行っているとデイケアサービスのことを話しておられました。電話口で嬉しいと泣いておられました。もっと頻繁に電話しないといけないです。羅FAさんは今春背骨の手術したそうです。金JOさんも胃の手術で二ヶ月入院していたそうです。声が小さくなり心配です。柳CAさんは足は悪くなっているけれど毎日散歩しているそうで、声は爽やかにお元気です。8月に訪韓します。
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