関釜裁判ニュース第50号

 
昨年の全国同時証言集会へのご協力ありがとうございました。おかげさまで黒字となり、三人の若者を二月十二日から十八日までナヌムの家で開かれたピースロード(日韓学生の平和学習・討論合宿)に派遣する事ができました。参加した大学生に感想文を寄せてもらいました。

ピースロードに参加して  T・T 

ピースロードに参加してよかったと思うことは、様々なものに直接触れられたことである。

一番心に残っているのは、韓国や、韓国からの参加者からの「反日感情」を直に感じたことだ。今まで、私の触れ合ってきた韓国人たちは、日本に関心や好意を持っている留学生がほとんどだったし、また日本の中での関わりだったので、日本や日本人に対するイヤな気持ちを直接感じたことが無かった。様々なメディアからは伝わってきたことはあっても。だが、それをピースロードでは直接感じることができたと思う。

西大門刑務所の落書きを見たときも本当に驚いた。そしてショックだった。ここまで憎まれているのか、いや憎まれて仕方ないようなことをしているのだと改めて思い知らされた。しかし、私自身も、韓国側からの参加者と話した時、討論した時などに、一方的に日本を非難されると癪に障ってしまうことがあった。このようなことは触れ合ったからこそ生じたことであると思う。

もしかしたら、今まで私は、ある意味では生の韓国・韓国の人とは付き合ったことはなくて、「慰安婦」問題も、遠くの問題として取り組んできたのかもしれない。韓国の「被害」の側面ばかりを見てきたような気もする。日本と韓国双方のことをもっと学び、そしてこのように触れ合っていくことが重要で、これからそうしていきたいと思っている。

また、すこし違う観点からだが、自分の考えを人に伝える力がいかに弱いかがよくわかった。友人に自分の気持ちを伝えることはできても、少し人数が増えるとできないのでは完全な力不足だ。この問題やそれに関する自分の考えを人に伝えていくためにも、論理的に考え、それを言葉にする訓練が自分には必要だと思った。

ハルモニたちとも色々な話ができてよかった。彼女たちとも、いろんなことを尋ねたり聴いたりするのは初めてで、とてもいい経験になった。ハルモニたちも人間味あふれる一人のおばあちゃんで、それがわかっただけでもうれしく感じた。

日本も韓国も多くの問題を抱えている。しかし、ピースロードで、その問題の大半を私はまだ知らないと感じた。私には学び、伝える責任がある。ハルモニたちの願い通り、私たちの世代では争いのない、平和な世界を作り上げていきたいと思う。

 

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