「消せない記憶、つなぐ記憶」 日本軍「慰安婦」被害女性を招いて 実行委員 おがた
昨年(2004年)12月、私たちは日本軍「慰安婦」被害女性をお招きして、全国同時証言集会「消せない記憶」を開催しました。韓国の「ナヌムの家」を訪れた若い世代の呼びかけのもと、各地で自発的に実行委員会が作られ、最終的に全国十ヶ所で実現しました(二ヶ所はビデオ上映)。
「戦後」60年という節目の年を、私たちは「慰安婦」問題の解決を願って迎えました。しかしながら、何の進展もみることなく、8月15日が過ぎました。この間、教科書から「慰安婦」記述が消される一方、多くの被害女性が亡くなられました。訃報が届けられるたびに、取り返しのつかない罪を重ねている気持ちになります。被害女性も私たちも、未だに戦争から解放されていないと感じます。
総選挙の結果、被害女性が求め続けている日本政府による謝罪と賠償は、一層困難なものとなりました。しかし、私たちの意志と願いに変わりはありません。
今年も証言集会を開催します。10月22日「旧日本軍性奴隷問題の解決を求める全国同時企画」を共通タイトルとして、全国九ヶ所(東京・神奈川・三重・京都・大阪・広島・高知・福岡・沖縄)で開催する予定です(開催日の異なる地域もあります)。
福岡では「消せない記憶、つなぐ記憶」と題して、韓国の黄錦周(ファン・クムジュ)さんをお招きします。今年5月にソウルでお会いしたとき、黄錦周さんはお身体の傷を見せながら、必死に思いを伝えようとされました。特に、韓国と日本の子どもたちのことを心配しておられました。今回、私たちの招請を快く引き受けて下さいましたが、ご高齢となられた被害女性にとって来日して証言を行なうことは、肉体的にも精神的にも非常に辛いことです。なぜ、心身の痛みを押してまでも伝えようとされるのか。その意味を多くの人に考えていただきたいです。
証言集会に先立ち、「ナヌムの家」絵画写真巡回展と台湾のアマの写真展も開催します(「アマ(阿媽)」とは台湾でおばあさんの意味)。絵画の多くは、既に他界された姜徳景(カン・ドッキョン)さん、金順徳(キム・スンドク)さんによるものです。絵に込められたハルモニの思いを感じ取っていただけたら幸いです。ハルモニたちに寄り添ってこられた写真家の矢嶋宰さん、台湾の写真家、黄子明さん、沈君帆さんの貴重な作品も展示します。
これらの企画を通じて、平和への思いをつないでいけたらと願っています。
詳細は、次のHPをご参照下さい。
http://www.geocities.jp/harumoni2005/