「強制動員真相究明ネットワーク」設立の趣旨
本年2005年は戦後60周年を迎えています。韓国では、昨年2月「日帝強占下強制動員被害真相糾明等に関する特別法」が制定され、これに基づき11月「日帝強占下強制動員被害真相究明委員会」が設立されました。
このような法律や調査機構は、本来加害国である日本にまず作られるべきものであったと思います。しかし、私たちの力不足でそれを成就することができませんでした。植民地支配やアジア太平洋戦争の歴史的事実の究明は、現在の私たちに課せられた責任だと考えます。このような過去の事実の確認から、平和で心豊かな未来に進む道が開かれると信じます。
幸い、韓国の強制動員被害者と民衆の力によって「真相究明委員会」が発足し、強制動員被害の真相究明を始めようとしています。そして韓国では、加害国日本に対してだけでなく、自国における過去の人権侵害や虐殺事件等の過去問題の真相究明を進めています。これは、韓国が更に民主化の歩みを強める行為だと思われます。
このような努力に、日本は積極的に呼応すべきだと考えます。今、私たち自身が、近隣諸国に対して行った加害の行為を見つめなおす時が来ています。突き詰めて見れば、韓国の民衆が、私たち日本人に和解の手を差し伸べてくれていると言えるでしょう。加害行為の究明は、決して「自虐的」行為ではありません。私たちが人間としての「誇りを回復する」行為です。
そのために私たちは、まず韓国の「真相究明委員会」の日本での調査や遺骨の収集等を支援する行為から始めたいと考えます。また、多くの方々にネットに参加していただくことで、更に次のような活動をすること、あるいは活動の推進に寄与することを目指しています。
(1)韓国の日帝強占下強制動員真相糾明委員会と連携し、日本において全国的な活動を進める。(2)強制動員に関する資料の収集・集約、研究等を行う。
(3) 日本政府、公的機関および企業が保有する強制動員関係資料の公開を求めるとともに、政府等が自らの責任として真相究明を行うことを促す。
(4)日本の社会において強制動員問題への関心を高め、東アジアの民衆と歴史認識を共有することをめざす。
(5)強制動員被害者・団体と連帯し活動する。
(6)「恒久平和調査局設置法案」などの制定運動に協力する。
(7) ネットワークに集約された資料を保管・展示する空間を作る。
私たちはできることから始めようと思います。今この時期を失せば、真相究明は極めて困難になります。そして、真相究明の活動を通して、事実に基づく歴史認識を確立することに寄与できればと考えています。これらの活動の推進は、「真相究明ネット」への皆様の協力なしには成り立たちません。
皆様、「強制動員真相究明ネットワーク」に加入し、是非7月18日の結成総会にご参加下さい。そして、日本、東アジアの平和で心豊かな未来を作ることに関与して行きましょう。
「強制動員真相究明ネットワーク」準備委員会
共同代表 飛田 雄一 上杉 聡 内海 愛子
「強制動員真相究明ネットワーク」 結成総会プログラム
日時 : 2005年7月18日 13時30分〜16時30分 |