シールを貼って『NO!政治介入』の声をあげよう! NHK番組改ざんを考える市民の会
政治介入によるNHK番組改ざん問題とは……
二〇〇一年一月三十日に放送された、ETV特集「戦争をどう裁くか」シリーズ四回のうちの、第二回「問われる戦時性暴力」は、二〇〇〇年十二月の「日本軍性奴隷制を裁く女性国際戦犯法廷」を取り上げたものです。戦争犯罪を女性の立場で裁くという画期的なこの法廷を、意欲的に取り上げたにも関わらず、その放送内容は不自然極まりないものでした。その後、当初作られた内容が、放送直前の二日前から夜を徹して改ざんされたことが,番組制作に関わった人や番組出演者たちから明らかにされました。そして、二〇〇五年一月,この番組のチーフ・プロデューサーの長井暁さんの内部告発や、朝日新聞の記事によって、この改ざんのきっかけが,自民党議員の安倍晋三,中川昭一両氏(『慰安婦』記述の削除などを進める「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」主要メンバー)の発言であることがあきらかになりました。
政治介入はあったのでしょうか……
NHKは,調査の結果と称して、NHK予算の国会審議に伴う説明の範囲であり、安倍氏からの圧力はなかったとしています。しかし、NHKが認めた事実だけからも,政治介入は明らかです。@安倍氏は予算審議をする総務委員会の委員ではない、A国会担当の野島総合企画室長だけでなく、松尾放送総局長(当時)が同行した、B両氏は「議員の会」所属の他の国会議員にも,事前説明に回っていた。また安倍氏との面会以前から「右翼」の抗議・介入が激しくなっていたこともあり、番組内容の手直しが始められていたとのことで、安倍氏の言うところの「公平公正に」と言う発言が、とどめとなって,手直しの域を越えた「改ざん」となったことは疑いようがありません。
番組はどう改ざんされたのでしょうか……
他の三回に比べ、放映時間が四分も短く、「女性法廷」を取り上げながら、(天皇有罪などの)「判決」は取り上げず、三五人の被害女性の渾身の告発の一部のみが切り刻まれて使われ、加害兵士の証言は完全カット、秋山リサ氏(カリフォルニア大学)のコメントの意図を歪める取り上げ方、法廷の意義を語る内海愛子教授の話の前後に、「法廷」の意義や元慰安婦の存在そのものを否定する秦郁彦氏のインタビューの長い挿入、主催者の一人、「戦争と女性への暴力」日本ネットワークの代表の松井やより氏の発言の完全削除という具合です。誰が見ても稚拙・乱暴な編集で、政治介入以外に、この内容改ざんを説明できません。
なぜ「支払停止」なのでしょうか……
勇気ある内部告発を受けて,私たちは有志のネットワークで賛同者(一八三個人、二団体)を募り、一月十七日にNHK福岡放送局に,「真相調査」「責任の明確化」「当初の内容での放映」「検証番組の作成」等を求める申し入れをしました。しかし,回答は「圧力なし・改ざんなし」という結論のみで,その調査内容などの根拠は示されませんでした。また、再申し入れに対しても、「東京の本部広報局のみでの対応」と門前払いされました。公共放送メディアで常態化していたと思われる、政治家への事前説明という「事前検閲」をうながす事態は、NHK対朝日新聞という構図に収まるものではありません。「放送法」や「NHK倫理・行動憲章」に違反する重大な問題であるばかりでなく、マスメディアの存立基盤である「権力の監視」「正義の追及」をないがしろにする危機的事態です。メディアのもつ「報道の自由」は、私たち一人ひとりが持つ、「知る権利・表現の自由」に根ざしたものです。とすればメディアのゆがみ偏りを明らかにしていくのは、私たち情報の受けての役割となります。
そこで、私たちは全国各地のグループ・個人と共同で、NHKが、公共放送の使命を果たすメディアとして再生することを願い、その第一歩としての番組改ざんの「真相究明・説明責任」などを求めて、視聴者の残された手段として、支払い停止に踏み切ることにしました。
なお、福岡を中心とした[NHK番組改ざんを考える市民の会]は、福岡に於ける公開の説明討論会開催を第一の要求にしています。
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プラスチックシール(NHK受信料領収シールと同サイズ・風雨に強く、屋外用)1枚 と紙製シール(NHKシールと小サイズ四枚<小さいシールは名刺に貼ってください>)1枚 で 1セット