関釜裁判ニュース第46号

不二越訴訟 〜 勤労挺身隊訴訟の今

         不二越訴訟第4回口頭弁論報告 花房恵美子 

 2004年7月28日富山地裁で第二次不二越訴訟の第4回口頭弁論が開かれました。それに先立って、5月27日韓国で原告たちをはじめ各遺族会30数名で三星電子本社行動が取り組まれました。その結果、6月11日三星電子から常務と部長が不二越富山本社を訪問して、「遺族会との懸案事項を円滑に解決されない場合、今後三星とのビジネスの継続は難しい」と通告し、それに対して不二越の福社長は「最善を尽くして円満に解決するよう努力する」と答えました。この答えを聞き、7月13日原告団の5人が韓国から来日して不二越本社行動を行いました。しかし、社内には入れたものの、回答は拒否されました。今後,不二越が和解に応じるかどうかは予断を許さないところです。

 7月26日お昼、小松空港に到着予定の成SUNさんと羅FAさんを迎えるために、福岡から小松に着いてくつろいでいた私たちにソウルのKさんから「ハルモニたちのビザが切れていて飛行機に乗れなかった」と言う電話が入り、真っ青になりました。その間のどたばたは割愛して、ともかくいろんな方が動いてくれて、27日午前中にビザを取得し、広島空港(この日は小松へも富山への飛んでいない)でTさんに迎えてもらい、JRで富山へ。途中事故があったりして到着は夜中の十二時近くになり、原告ハルモニたちはフラフラでした。翌日の裁判で成さんは長く辛い人生を振り返り、思いを込めて意見陳述されました。(あとに掲載)島田、浮田、奥村、菊弁護士の原告に寄り添った心のこもった弁論が展開され、勇気づけられました。傍聴席は満席で名古屋から五人、福岡から27日に合流したAさんも含め四人、広島からは当日駆けつけたFさんと前日大活躍のTさんの二人が参加しました。

 翌29日朝、原告たちと不二越本社に行き、原告二人と通訳のFさんと北陸連絡会のNさんだけが社内へ入れて、総務課長と面談しましたが、原告の言うことは一応聞くがそれだけだという態度であったそうです。

 その日は広島の県北・三次で交流会、30日は広島で証言集会(裁判で陳述できなかった羅さんがはじめて時間をかけて証言されました)、31日福岡で交流会をし、8月1日帰国されました。さぞかしお疲れだろうと思っていたら、すぐに無事着いたと電話があり、しばらくして「いつまた日本に行くか?」という電話がありました。彼女たちの裁判と解決への期待の大きさが伝わってきます。

 中国人強制連行西松裁判の広島高裁での勝利判決(あとに掲載)の影響は大きく、裁判支援者は「支えねばならない」裁判から、勝てる可能性のある裁判へと認識が変わっていて、活気に満ちていました。第二次不二越訴訟は北陸連絡会と弁護士の方々の頑張りで、支援の輪が広がり、いい裁判になってきています。次回は12月1日です。ご支援をよろしくお願いいたします。


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