2004年2月20日 不二越株主総会の原告発言

 

李Pokさん(2004年2月20日、株主総会)

 私は韓国から来た李です。13歳の時、幼い私でしたが、不二越に勤労挺身隊として、強制連行され、1944年7月から1945年7月まで、強制労働させられ、賃金をもらっていない者であります。

 私は2月19日、この場に立つために、不二越の会社を訪問しました。その時「勤労の碑」に花束を捧げました。会社の正門を入ってみると、韓国の国旗である太極旗、日の丸、アメリカの星条旗が仲良くはためいていました。私は喜びと悲しみが交錯していました。歳月も流れ、世の中も変わっているなと思いました。しかし、どうして不二越だけが変わっていないのか。不二越の中で、韓国の太極旗がはためいていましたが、あなたたちの以前の蛮行が韓国でもすでに許してもらったのか。そう思っているのではないですか。答えて下さい。

 それで、韓国第1の大企業である三星(サムスン)電子と手を結んで、生産して、世界へ向けて進んで行くということですか。不二越が国際企業として、成功するのもいいです。しかし一つあなたたちがやるべきことは私たち勤労挺身隊に対して、良心ある謝罪、それから精神的かつ物質的な補償を行なうことです。

 最後ですが、もしこの場に、三星(サムスン)電子の役員がいらっしゃるならば、このようなすべての状況を正しく把握して、働くという精神がどういうものなのか、不二越に教えてあげて下さい。それから、手を携えて世界に羽ばたいて下さい。韓国では、三星(サムスン)電子は国の存亡を案じて、それから韓国という小さな国のアイデンティティを立てるために、国をリードする企業です。ぜひ、このようなことが解決されるように、お願いします。

 

李Jasさん(2004年2月20日、株主総会)

 私は去年この総会に出まして、証言した李です。60年前に強制連行され、不二越の会社で、勤労労働をしたことについて簡単に、それから韓国の三星(サムスン)との提携に関して、自分の感じたことを話したいと思います。

 私は、1月19日、韓国の三星(サムスン)電子と不二越が提携するという話を聞いて、憤慨しました。私たちハルモニは三星(サムスン)電子を訪ねて、デモをすることに決めました。私たちは三星(サムスン)電子の代表を訪ねて話しました。「この不二越というのは私たちが13歳の時、強制連行され、働きましたが、その賃金をまだもらえてないのです。そのような会社と手を結んで、提携して進んでいくことはあり得ない」と、私たちは叫びました。

 その場で、三星(サムスン)電子の代表は「このような事実を全く知らなかった。それで、もう一回考えてみます」と答えました。不二越は本当に良心があるのですか。私たちを強制連行して、解決もせずに、韓国の企業と手を結ぶことが正しいと思いますか。胸に手を当てて良心に聞いてみて下さい。

 最後にお願いしたいのですが、私たちのような強制連行された勤労挺身隊たちの労働があって、会社が大きく成長した。不二越は60年前に強制動員された人たちの仕事に対して謝罪し、労賃を支払ってくださいますようにお願いします。