原告たちの話に胸がいっぱいになりました

自治労福岡県本部女性部書記長
時永裕子

 第二回口頭弁論が終わった翌日、福岡教育会館で開かれていた、自治労福岡県本部女性部の大会に原告団が招かれ、アピールを行いました。その後、役員たちとの交流会も行いました。そのときの感想を出席者の方に寄せていただきました。(編集)

 昨年の自治労福岡県本部女性部の沖縄への「平和の翼」では、沖縄に於ける「従軍慰安婦」問題を一つのテーマとし、報告会を兼ねた平和学習会ではソウルからお招きした挺対協の方のお話をうかがいました。
 今回、関釜裁判の二次提訴で来日された元「従軍慰安婦」の方のお話を、短い時間ではありましたが直接聴くことができ、貴重な体験をさせていただきました。
 韓国での生活、連れてこられた時の状況、随分暴行をされ、大きな傷がお腹に残っていること、帰ってからも頭痛に悩まされ生きて帰ったことを悔やむ毎日、そして年をとるにつれて裁判の行方への大きな不安。・・様々な思いが時々日本語も交えて話されました。
 五十年の沈黙を破って、やむにやまれぬ思いで裁判に訴えた原告の人達とそれを支える韓国の人達、日本の人達。その思いが、その痛みがくやしさが、身を貫く思いでした。一緒にお話をうかがった女性部の役員も皆、各々の思いに胸を一杯にしていたようです。
 いろいろな事実を見たりきいたり、読んだりすればするほど、「従軍慰安婦」問題は、国家権力による民族差別と性差別の極であり、これまで全く事実が明らかにされなかったこと、したがって自らの行為を反省しなかったことに激しい怒りとやりきれなさを感じます。
 「皇軍」による長期にわたる集団強姦は、民族抹殺の手段でもありました。
 真実を明らかにせず、謝罪も補償もしないならば、民主国家としての日本は存在し得ないと思います。
 市民運動の広がりと政党や民主団体は労働組合の活動が歴史的な事実を明らかにし、様々な立場から様々な運動がつながっていくなかで、戦争の総括と戦後の補償がきちんとした形で行われることを願わずにはいられません。
 「あわまれ、そしてつぐなえ」あまりにも当然の要求。−ここから民族問題、女性問題の現在と未来も始まるような気がします。
 私も、私の属する自治労も、今、学び、考え、行動する事が求められています。