原告滞在記
花房恵美子
7月23日、李金珠さんと梁錦徳さんが福岡空港に到着。梁さんは、衣装ケース程の大きさの密封容器にびっしりきむちをつめて持ってきた。「今日が一番美味しく食べられるように光州で漬け込んできた」とのこと。そんなに辛くなくて「こく」があって美味しかったこと・・・皆で分けました。
翌24日、不二越裁判の敗訴の知らせを受ける。私達は判決の中に「一歩前進」を見つけようとする。夜8時過ぎに、弁護士との打ち合わせから帰ってきた梁さんは「敗訴」と聞くと、みるみる元気をなくす。風呂に入らず、肩を落として寝室に入っていく梁さんの後姿をみていて「負けた」ことを実感した。
25日の本人尋問は頭のいい梁さんが尋問に即答するので、テンポが速くて、聞く方は必死。付添いで来られた光州遺族会・会長、李金珠さんも「私の言いたいことは全て言ってくれた」と満足そうだった。
夜ニュースステーションで、富山不二越の門前での抗議行動が映る。構内に入り込み、守衛ともみ合い、地面をたたき、号泣し、失神した李鐘淑さんの姿に、朴SOさん、柳Tさん、朴SUさん、梁錦徳さんが重なる。